社会教育施設のデジタル環境の整備等に関する調査
自治体におけるデジタル関連の取り組み状況調査
社会教育施設におけるデジタル設備の整備状況と、整備における課題

またデジタル環境整備や、デジタルを活用した取組を行う上で、現状抱えている課題についても尋ねました。「財政上の課題」と回答した団体が最も多く、次いで過半数の団体が「公民館職員のスキル」・「自治体の体制」・「利用者側のスキル・ニーズ」と、自治体および利用者のデジタル活用に際する体制構築が不十分であることを課題として挙げています。その他、「セキュリティ」・「インフラ整備」を課題として挙げた団体も多く見られました。

次に上記の課題に関する回答状況について、部署規模(5人未満、5人以上10人未満、10人以上15人未満、15人以上)とのクロス集計を実施しました。15人以上の規模の部署においては、15人未満の部署に比べ、公民館職員・利用者側のスキルに関する課題を選択した割合が高くなっています。比較的体制の整っている自治体においては、財政や体制などの基盤的な課題が満たされた後には、デジタルスキル等の人材育成・活用に係る課題がより意識されるようになると考えられます。

デジタル関連の普及・啓発等の取組の実施状況、対象者数
自治体が実施するデジタルに関連した講座・講習や行政サービス等の理解促進に関する全国的な取組状況を把握するために、「自治体におけるデジタル関連の取組状況調査」を実施しました。都道府県及び市町村教育委員会及び関連部局を対象に展開し、2,042件(1,105自治体:同一自治体複数部局からの回答あり)の回答を得ました。
まず各自治体が実施している、デジタル関連の普及・啓発等の取組の状況について調査しました。取組については、「講座・講習」、「リーフレット・冊子等」、「動画等の公開」、「その他の取組」に分類しました。回答自治体の5割以上が講座・講習を実施している一方で、動画やその他の取組については1割未満にとどまっていました。
また、令和5年度調査と比較すると、いずれの取組についても「取組がある」と回答した団体の割合は増加しており、デジタル関連の普及・啓発等に取り組んでいる団体が増加している傾向がうかがえます。(図4)

次に各取組の対象者数について集計しました。「取組がある」と回答した割合は講座・講習が一番高かったものの、対象人数はリーフレット・冊子等(5,002,123枚)、動画等の公開(2,973,654人)、その他の取組(1,257,754人)の方が多くなっております。(図5)
特性上、回数あたりの対象者数は、リーフレット・冊子・動画等が多くなることから、対象者視点での利便性が高く、より多くの人の目に触れる幅広い取組形態を組み合わせることで、より多くの対象者に普及することができると考えられます。
