公民館・図書館の官民連携/デジタル活用事例

中心市街地再生のための社会教育施設整備、リブリオ行橋(福岡県行橋市)

  • 図書館
  • PFI
  • 指定管理者制度

コンセプトは「中心市街地活性化の切り札」

行橋市は福岡県北東部に立地するベッドタウンである。そんな行橋市に立地するのは、図書館やホール等からなる教育文化施設「リブリオ行橋」である。行橋市が構築を目指している持続可能なコンパクトシティにおける先導的な都市機能であり、市では本施設を「中心市街地活性化の切り札」として位置づけている。

https://www.librio.jp/business/

市街地の核となる、魅力的な機能-託児スペース、コワーキングスペース

リブリオ行橋が立地するのは、JR行橋駅東口より数分ほど歩いた古くからの市街地。このエリアは、かつては商店街も賑わいを見せていたが、近年は賑わいの回復が課題となっている。
そんな市街地の中心部に位置する、民間施設跡地を市が取得し、教育文化施設として生まれ変わらせたのが本施設だ。パブリックコメント等の結果、住民要望が多かった託児スペースやコワーキングスペースも併設されており、平日昼間もファミリー層や若者が多く利用している姿を見ることができる。

PFI方式の導入によるメリット-構想→建設→運営・管理をワンストップに担える体制づくり

リブリオ行橋の事業スキーム

リブリオ行橋は、PFI方式(BTO方式:サービス購入型)を導入し整備を実施した。PFI方式の導入により、提案・構想の段階から設計、建設、運営・管理まで一体的に実施できるため、民間のノウハウを活用し、よりサービス水準の向上が期待できるものとなった。
PFI方式によるメリットは多いが、特に強く実感していることは2点と、市担当者は語る。1点目は、提供サービスの向上である。PFI事業者のうち、運営を担当する民間企業は、全国の図書館の運営実績を数多く有するため、図書館運営ノウハウを有している。例えば、児童向けの絵本の読み聞かせ等のイベントに留まらず、電子工作など幅広く利用者の心をひきつけるイベントを開催。PFI事業者のノウハウを活かしたサービス向上を図っている。
2点目は、施設の維持管理の品質向上である。指定管理者制度の場合、指定管理者側で施設の維持管理を行うものの、一定額以上の修繕は対象外であり、事後修繕となって老朽化対策が後手に回ってしまうこともあったという。PFIでは、修繕業務に関しては予防保全を行うこととし、入札の段階で点検・保守の頻度を規定しているため、長期にわたりきめ細やかな維持管理により施設の長寿命化が可能になると考えられる。

教育に力を入れる市の方針-その実現を支えるバックアップ体制

事業経過
体制図

本施設の整備を支えたのは、行橋市役所内の全庁的なバックアップ体制である。
図書館機能を所管する社会教育系部局は、PFI等に関する見識を有している職員が少ない。そこで初期の立案段階にあたっては、総合政策課が立案の主導や、PFI制度・補助金制度について知見を収集することで、計画推進の旗手となった。

部局を横断したチーム編成による、円滑なPFI導入

総合政策課による立案ののち、要求水準書作成といった計画中期に差し掛かると、具体的な施設の機能を踏まえた設計や公共事業全般に対する見識が必要となる。ここでは、都市整備部に属する都市政策課、教育委員会・教育部に属する生涯学習課が中心的な役割を果たした。これら3部署より課長級職員を招聘しチームを組成することで、円滑な要求水準書作成を実現できた。なお竣工後、管理・運営にあたっては生涯学習課が担当している。

 
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