自然豊かで大都市へのアクセスも良好な小都市・糸島
福岡県最西部に位置する都市・糸島市。自然に恵まれた風光明媚な土地で、福岡市などからの観光客も多数であるだけでなく、その環境や博多や福岡空港へのアクセス利便性から近年は移住者も増えているという。イギリスの情報誌「MONOCLE(モノクル)」が実施した『輝く小さな街(Bright lights, small city)』の2021年ランキングでは、世界3位に選ばれるほど、国際的な評価も高い都市である。
(出所:糸島市ホームページ「「世界で最も魅力的な小都市」糸島市が世界3位にランクイン!」
https://www.city.itoshima.lg.jp/s045/20210103160702.html)
一方で、他の地方都市と同様に中心部の商店街には空き店舗も目立つようになっており、中心市街地の活性化が課題となっていた。そこで、「糸島映画祭 いとシネマ」など地域を盛り上げる活動を行っていたいとしまちカンパニー合同会社の共同代表3名に、糸島市役所・西日本新聞グループ(西日本新聞・糸島新聞社)が、中心市街地活性化につながる取組の相談を持ち掛けた。これが、プロジェクト開始のきっかけである。
(出所:糸島市ホームページ「「世界で最も魅力的な小都市」糸島市が世界3位にランクイン!」
https://www.city.itoshima.lg.jp/s045/20210103160702.html)
一方で、他の地方都市と同様に中心部の商店街には空き店舗も目立つようになっており、中心市街地の活性化が課題となっていた。そこで、「糸島映画祭 いとシネマ」など地域を盛り上げる活動を行っていたいとしまちカンパニー合同会社の共同代表3名に、糸島市役所・西日本新聞グループ(西日本新聞・糸島新聞社)が、中心市街地活性化につながる取組の相談を持ち掛けた。これが、プロジェクト開始のきっかけである。

出所)NRI撮影
コワーキングスペース・イベントスペースを中心にさまざまな機能を提供
「みんなの」は、博多駅から地下鉄で30分ほどの、JR筑肥線・筑前前原(ちくぜんまえばる)駅から徒歩7分ほどの場所に立地する。元々この土地には、町会の集会所や公民館は存在していたが、施設が綺麗でデザインに優れていることや、気軽にイベントを開催できる点を差別化のポイントとしている。移住者はITエンジニアやデザイナーなど、さまざまな経歴を有している人も多く、移住者にとっても使いやすい空間として設計している。
提供している機能としては、地域住民のためのイベントスペース・コワーキングスペースや、利用者が読み放題の読書スペース「みんなの本棚」、観光客が利用可能なレンタサイクルの貸出等がある。最大の特徴が、利用料の徴収だ(3時間までの一時利用は500円、1日利用は1,000円)。完全に無料とはせず、一方で学生など多世代に使ってもらえるような低い価格設定とすることで、民設民営公民館として自立的に運営しながら、交流の場として機能させることを可能としている。
空間の雰囲気や、運営スタッフの魅力に加え、多様なイベントが開催されることがきっかけとなり、自然と地域の熱意ある人材、感度の高い人材が「みんなの」に集まるようになっていく。こうした発想も民間運営ならではだ。


出所)施設管理者撮影
施設を起点に、中心市街地の活性化へ
「みんなの」のもう一つの特徴は、公設の公民館に比べ、行政の所管関係にとらわれない民間企業が自由な発想で幅広い事業を行っていることだ。具体的には、コワーキングスペース運営やレンタサイクルの貸し出し、そして設立の契機にもなった中心市街地の活性化支援などがある。
いとしまちカンパニーでは、地元商店街の空き店舗物件を保有する地元住民との信頼関係を構築し、小さなスペースの間借りなどを求める若者や起業家との仲立ちをしている。「みんなの」を起点に、中心市街地活性化のムーブメントが起こっている。こうした、施設内にとどまらない地域のさまざまな構成員への積極的なアウトリーチ活動は、社会教育施策の近年の潮流にも合致しており、公営の公民館等社会教育施設やそれを所管する部署にとっても大いに参考になるものだ。
いとしまちカンパニーでは、地元商店街の空き店舗物件を保有する地元住民との信頼関係を構築し、小さなスペースの間借りなどを求める若者や起業家との仲立ちをしている。「みんなの」を起点に、中心市街地活性化のムーブメントが起こっている。こうした、施設内にとどまらない地域のさまざまな構成員への積極的なアウトリーチ活動は、社会教育施策の近年の潮流にも合致しており、公営の公民館等社会教育施設やそれを所管する部署にとっても大いに参考になるものだ。


出所)NRI撮影
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